伊坂幸太郎の限定小説を求めて。兵庫→福島ヒッチハイク その3「大阪の下道を進む。」
ここまで。
前回は、USJ近くで降ろして もらったところまで書いた。
つづき。
先ほどの家族とお別れして、なんか少し寂しい(車の中、すごく団欒としてて居心地がよかった)なって思いながら、iPhoneをいじる。
facebookを見てみると、出発前に投稿していた その1 の記事にコメントが。
僕が初めてヒッチハイクを友達とした時に乗せてくださって、その後もことあるごとに応援してくださってる方から「1万円振り込んだから、自由に使ってね〜」とのこと。
それを読んで僕は自分の目を疑った(一瞬で3回くらい読み返した)。
その時の僕の所持金は2,000円を切っていて、正直不安だった。
でも、このメッセージを見た時、何か大きな"大丈夫だ感"が僕を包んだ。
いや、所持金が12,000円になったところで不安なはずである。
前回は11,000円持ってのスタートですごい不安やったのに、今回は2,000円でスタートして10,000円もらえるってなって、なんかもう安心してる。
なんだろうこれ。
まるで言語化して説明ができないけど、お金の価値観って変わるもんなんやなーってふわっと思った気がする。
頭ではこんなことを考えながらも、(熱中症にはなるまい!と思って水をがぶ飲みしてたため)体はトイレに行きたがる。
ファミマのトイレに入り、ひとり作戦会議。
ひとまず、目の前の太い道路の先に高速に乗れるICがあることが分かったから、その道沿いでヒッチハイクをすることに。
いい場所を探しながら歩きスマホしてると、さっき乗せてくださった方から、子どもたちの写真とともに「お兄ちゃん、がんばって〜」とのメッセージが、
ただただ嬉しい。
10:45 ヒッチハイク開始!
感触は良い。
11:00
車で通り過ぎながら、僕を凝視してくれるイケメンたちがいたから、僕も凝視してアピール。
そしたら次の信号で止まって、窓が開いて手が出てきて僕においでおいでしてる。
ktkr
走って近寄る。
ウィーン(窓が開く
助手席のお兄さん「どこまで行くんですか?
僕「福島を目指してるんですけど、できたら高速に乗りたくて、
お兄さん「僕ら、関東からきててこの辺土地勘とかないんすけど、道頓堀に行くんですよ〜、どうします?
道頓堀がここよりも北にあることは分かったから、進行方向としてはあってる。でも、高速には乗れない。
迷ったけど、ヒッチハイクは流れに身を任せた方が面白い体験ができると信じているため、乗せてもらうことに!
道頓堀まで。
神奈川から来てる19歳の4人組。
楽しくぺちゃくちゃ喋ってるうちに、道頓堀着。
11:40
お兄さんたちとお別れして、太い道の方に歩く。
ヒッチしてみる。
めちゃくちゃ暑い。
ダメ。
お腹減ってきて、コンビニでご飯食べようか迷ったけど、ちょっと我慢して歩く。
路駐ハンパない。
暑い。
これはやばいなーってもう心折れかけてたけど、ヒッチハイク以外することないから、とにかくスケッチブックを掲げ続ける。
そしたら、フォルクスワーゲンのバンが通りかかる。「うおー、これ乗せて欲しいなー」って思ってたら、少し通り過ぎて止まってくれる。
助手席から男の子が降りてきて、僕のところまで走って来てくれる。
男の子「寝屋川まで帰るんですけど、
僕「寝屋川ってここより北ですよね?...お願いしますっ!!
ってわけでこの車に乗せてもらえることに。
その4 につづく。